~編集局員の良記事紹介&個人的雑感~
「世論調査」、それは逐一報道されるべきものなのか?!
2025年7月12日
藤原かずえ女史がエックスで次のようなご発言をされているのです。
❝世論調査で長期間にわたって現役の総理よりも「総理にふさわしい」とされてきた石破茂氏が、どの総理よりも内閣発足時の支持率が低く、選挙も大敗が予想されています。何の実用性もない無責任な調査結果が、見事なまでに、政局と大衆操作に悪用されてきたということです❞(2024年10月23日)
藤原かずえ@kazue_fgeewara

まことにその通りでござりますと。
今でもNHKを始め各テレビ局が延々とこの「世論調査」(内閣支持率や政党支持率、あるいはこのような総理大臣候補の支持率)を報道しているのですが、この世論調査ほど「無責任でどうでもいい数字」はないのです。
しかしテレビ局(マスコミ)はこれを「いかにも大きな意味があるかのような恰好で報じる」のです。それは実は「意図してか意図せざるか」にかかわらず、「政局と大衆操作に悪用」されてきているバカ事案なのです。
そしてさらに言うなら、そもそも世論調査で何が表されているのかという時、それは「大衆のバカさ加減を表している数字」でもあると言えるのです。そんなバカさ加減を、「それが民意です」ということで、いかにも「尊重すべき数字」だという格好で報じるのです。(そもそも民主義は衆愚政治とも評されるように、民意が常に正しい訳でもなく、たとえば日比谷焼き打ち事件のように「それは人々が分かっていない」ということもあるのです、しかしその時に民意を問えば、圧倒的に政府政権は否定されていたことでしょう)
そういうことで、「なんの実用性もない無責任な調査結果」を、NHKを始めあらゆるマスコミが「民意が示されている」という格好で毎度毎度逐一報道しているのですが、彼らは「そのことの意味する重大な悪」を認識していないのです。
たぶんNHKは本当に無邪気に「単なる数字の発表です♪」として、自分たちは「良き事をしている」つもりでやっているのです(それでもだからといって罪は軽いとはならないのですが)。
あるいは実は「悪用している」という自覚が大ありなのに、あえてそれを隠してやっている局や社があるかもしれないのです。ただワイドショー番組などは無責任無自覚に報道しているのでしょうが。
いずれにしても、マスコミがこれまで、じつに強く大きく、国民大衆の世論操作をしているという事実は、もっともっと強く大きく認識されてしかるべきだと思われるのです。
おそらくNHKも分かっていなくて無邪気にやっているのでしょうが、実はダメなことをやっているのです。NHKの上層部にはきっとその自覚はないのでしょう・・・。
(あ~・・・)、と。
そして藤原かずえさん、グッジョブですと。
ご紹介まで。
<了>
グチャグチャは「没落の兆候」?or「福音」?
2025年7月12日
お疲れ様です。
今日は久しぶりに図書館に行ったのです。
そこで中央公論8月号を30分ほど読んできたのです。
(帰宅後にググってみれば、それがweb上で次のように)
中央公論 2025年8月号|最新号|中央公論.jp
【 特集 】トランプ危機の経済、歴史の教訓 大学への攻撃、関税合戦、衰退産業保護…
しかし目次までは見れるのですが、さすがに本文は読めないのです。
で、私が今日読んできたのが次の2文です。

※)境家氏は、昨今の参政党などの新興政党が支持率を高めている状況を「右派ポピュリズムの胎動」という視点から見ているのです。確かにそうなのでしょう。しかし私としましては、それは「政党政治融解の序章」でないのかとも思えまして。決してマイナス方向だけで見るべきものでもないと思えるのです。

※)こちらの記事は読みごたえがある良記事だったのです。山下範久氏はご専門は歴史社会学のようですが、ウォーラーステインを学んだようでその視点からの現代史分析が良かったのです。アメリカと中国が、今後世界の覇権を争う二大巨人であるということから、その行方を占うということで。そしてこう言うのです、「アメリカが中国のジュニアパートナーになるということが、ひょっとしたらあり得る・・・」と。言われれば確かにその可能性もあるだろうと。「ただ、それは近い将来ではない」とも。それにしても、時代が大きく移り変わることは当然であり、それも誰も想定していないような変化が生じることもまた、当然のことなのです。ゆえにアメリカが中国のジュニアパートナーになるという悪夢のような事態が出来することもまた、あり得ない未来でもないだろうと。
さて、昨日はwebチェックしておりまして、色々ご紹介したい動画やら記事やらがあったのです。で、いくつかをまとめてご紹介させて頂こうと。
①安野貴弘氏関係
【ノー編集・参院選】「テクノロジーで政治を変える」 チームみらい・安野貴博党首
(48分57秒)

※)35歳と断然若いですので、「人物としてどうか?」という観点からはさすがに「???」なのですが、チームみらいというきわめて特異な政党に目を向けるならば、それは「石丸新党」とは全然違うということもあって、「買い」だろうと。私は実は政党としてのチームみらいが国会で多くの議席をとって台風の目のような旋風を巻き起こすことは期待していませんし、そういう有り様を「ヨシ」とも思っていないのです。ただ、日本社会にある「常識としての政党政治」をぶち壊す起爆剤としての役割を担えるだけの潜在的可能性はあるだろうと見ているのです。なので、「国会外」の世界で旋風を巻き起こしてくれるならそれでいいと。とにかく、「テクノロジーで政治を変える」というコンセプトは旧来の「政党政治」には無い、まったく新しいコンセプトでありまして注目すべきと。
②山本一郎氏の話
【参院選の序盤情勢解説】自由民主党と公明党の票が、参政党に次々と流れている現実について…… 立憲民主党/国民民主党/維新の会
(12分50秒)
※山本一郎氏はどうやら最近は「自民党の中の人」になっているようでありまして、内側から見た興味深い情報を提供してくれているのです。ですがもちろん今の私にとっては「へ~、そうなんですかぁ・・・、なるほどぉ・・・」という域を出ない話なのです。
③2025年参議院選挙関係「くら替え」の件
2025年参議院選挙
政党「くら替え」次々 知名度や即戦力期待

※)この件につきましては、私の持論の「政党政治の融解」という事情を端的に象徴する事案だと思うのです。つまり、候補者にとっては、その政党の理念や政策の重要度よりも、その政党から出ることの「当選確率」こそが重要であるということなのです。つまり、「どの政党から立候補することが当選に最も近いか」ということが、最重要事であるということなのです。そして政党中枢も、「その候補者の理念、政策が最重要事項なのでなく、当選確率が高いかどうか」ということの方が公認を出す上で重要事項であると。つまり、立候補者にとって大事なのは、「とにかく当選すること!」なのです。その政党の理念や政策などはもう二の次という・・・。そんな人物ばかりを、政党は国会に送り込もうとしているのです。アホかと・・・。
④トランプ氏関係
◆池田信夫氏エックス◆
〇トランプ関税で自動車が出て行き、原子力がなくなったら、国内にはコンビニと居酒屋と介護ぐらいしか残らない。それなのに「農業は犠牲にしない」と宣言して自動車を犠牲にする政権と、コメの自由化さえ言い出せない野党。希望を捨てる勇気が必要だ。
※)希望を捨てる勇気とは、これまた刺激的な言辞ですが、それは少々オーバーな表現かもしれないのです。ですが言っていることの本質(つまりは与党も野党もダメ)は、その通りでしょうと・・・。
〇トランプ大統領「台湾侵攻なら北京を爆撃」
→これは相手に報復攻撃による損害リスクを認識させて戦争を回避させる【懲罰的抑止】です。良く言えば「常識にとらわれない人物」、悪く言えば「非常識な人物」のみが使うことができる有効な戦術です
〇本当におっしゃるとおりです。現在の高齢者の社会保障リスクがほぼゼロであるのに対して将来の高齢者の社会保障リスクがお先真っ暗なほど高いことを認識していながら、票欲しさに減税ポピュリズムに走って、現在の高齢者をさらに優遇しようとする政治家の存在こそ、日本社会最大のリスクです
〇今回の参院選で全党が掲げる減税・給付金ポピュリズムは、インフレから国民生活を守るという名の下にインフレを加速し、国民生活をさらに悪化させるものです。与党の給付策は野党の減税策よりは負の効果が低いといえますが、この局面で責任政党が行うことではありません
〇序盤の情勢調査を見る限り、保守系の選挙区で自民vs国民、東北の選挙区で自民が立民に惨敗、複数区で国民が善戦といった構図が読み取れるかと思います。自民には大胆な政策改革が必要不可欠と考えます。昭和の無責任政治をやっている場合ではないということです
※)安定の鋭いご意見です・・・
それはそうと、選挙戦中盤の情勢分析では、どうやら自公での与党は過半数割れになるだろうとか。
「自公惨敗」ということが予想されるようです。
それが日本にとって「福音」になるのか「没落の前触れ」となるのか、微妙なところです。
もちろん、短期的には福音、長期的には没落、となるやもしれず、逆に短期的には没落、長期的には福音となるかもしれないのです。
そしてさらに言うなら、つまりは「超長期」で見るなら「どっちも似たようなもの」となるかもしれないのです。
トランプ氏のハチャメチャ政治が、とりあえずは世界をグチャグチャにする「ダメ政策」であることは論をまたないのでありますが、それでも「短期的には没落であるが、長期的にはそれが福音となる」ということもある訳でして、本当に事象の意味をどう読み解くかということは難しいのです。
参政党の伸長にしましても、確かに「神谷氏の言説や政策はダメやん!」として切り捨てることも可能なのですが、それでも逆に、「そういうハチャメチャさの中にこそ、将来変化への可能性を見ることができる」という見方もまたできる訳でして、なかなかという・・・。
本当に、「短期」、「中期」、「長期」、さらには「超長期」というタイムスパンによって、同じ事柄が「福音」にも「最低最悪」にもなるということこそ、人類社会がもつ摩訶不思議で深い深い社会構造であるということだと思われるのです。
どうしても人間は「目先」(短期)に目が行ってしまって、長期や超長期の見方が難しいのですが、しかし大事なことは短期よりも長期であろうことは論をまたないのです。これは鉄則であろうと。
そういうことでありまして、当面、目先は、日本の政治状況は何やら「右派ポピュリズムの胎動」というマイナス方向への動きということになるのでしょうが、それでも逆に「それは良き方向に動き出す胎動でもある」と言えるかもしれないのです。
そういうことで、無責任なようではありますが私の立場からは「もっともっとグチャグチャになれ~!」と叫びたい気分でもあるのです。
そして「そんなんで日本が沈没するなどということこそ有り得ない!」と。
長期的には(超長期的にも)、日本には輝かしい未来しか見えていないのであると。
<了>
真の革命家よ、出でよ!
2025年7月6日
お疲れ様です。
今日の日曜日は全国的に猛暑日になるとか。
いやいやあきません、本来ならまだまだグズグズの梅雨空でなければならないのです。
昔でしたら、そうですねぇ、夏休みが始まる前頃から「真夏の空」が始まって道路が急に白く光り出して、それで「カーッ」と真夏の暑さがやって来るという感じだったのです。
ま、それはいいのです、大自然様のお気に召すままということで。
そして日本では参議院選がいよいよ始まりまして、もう国を挙げてのお祭り騒ぎになっているのです。
そうなのです、もう「待ちに待ったビッグイベント♪」のような感じなのです。
いや、本当にそう感じているのは一部のメディア関係者(SNS含め)、政治界隈関係者、言論人、などなどでありまして、大多数の一般人、庶民は「どうも世の中はそうなっとるらしい…」という感じで、何やらそのお祭り騒ぎに乗せられているような感じで巻き込まれている、ということが真相なのでないかと思われるのです。
この参議院選挙を、それこそ当事者(立候補者)や政党関係者などはもちろん「我が事」でありまして、必死こいてまさに決死の勢いで「戦いだぁ!」などとして取り組んでいるのでしょう。
そしてその周辺に生きるマスコミ(テレビ・新聞・雑誌その他)関係者も、それは確かに「大ごと」なのです。彼らにとっては確かに「儲け」に直結する一大イベントなのです。それはテレビ局関係者にとって、「24時間テレビ」などと同じで最大級のイベントです。
そしてまたその周辺に生きる言論人(ジャーナリスト、評論家、学者、有識者、YouTuber諸氏)にとっても、大イベントなのです。
そういうことで、「選挙」はもう日本にとっての一大ビッグイベント(お祭り騒ぎ)になってしまっているのです。
そしてそれはもう何十年も前からそうでありまして、それを「おかしいのでないか?」と思うことなどないのです、誰も。しかし私は思うのです、「これはおかしい」と。
一つ言いたいことがあるのです。
今朝のテレビで、石破首相はじめ各政党トップが「討論会」などのように自説を展開してとくとくと語っていたのです。皆さん「自分こそ正しい」と。
しかし私は思うのです、 「皆さん少しずつ正しいです」と。
政治課題(イシュー)が10個あるとして、その10個に丸ごと全て正しいことを言っている政党もなければ、丸ごと全てダメなことを言っている政党もないのです。みんな、どこかしら「正しく」どこかしら「間違っている」のです。
それをです、「その中から比較的マシな政党を選ぶ」ということが、そういうシステムが、果たして合理的なシステムかというなら、違うと言わざるを得ないのです。
とくに「経済問題」などは際立って難しいイシューでありまして、庶民、一般大衆にとっては「どの政党が提示する政策が正しいのか?」ときちんと判断することなどほとんど無理なことなのです。
おそらく、経済学者を10人集めてきて、「どの政党の経済政策がもっとも正しいと思うか?」と聞いてみても、おそらくその経済学者自身がよって立つ基本スタンスによって異なる政策を支持するのです。
そして根本的に難しい判断が「財政規律」か「積極財政」かの判断なのです。 これはもう経済学者にしても「二分」されるでしょう。 それを一般庶民に対して、「お前らの問題だぞ、自分の頭で判断せよ!」として選ばせることが、果たして正しいことなのかと、最終的にはそこに問題ありと言うしかなくなるのです。
そういうことでありまして、こういう形での「民主主義政治」、「政党政治システム」を一日も早くぶっ壊して、江戸幕府の「老中政治」と同じく、ぶっ壊して、まったく新しいシステムを構築して「政治を改良する」ことに取り組んでもらいたいと思うのです。
しかしそれは一種の革命なのでしょう。時代はもう革命を求めているのです。
「十年一日」どころか「50年一日」を地で行くようなこの日本の政治を取り巻く旧システムを、本当に根本からやり直す、書き換える、ぶっ壊す革命が必要なのです。
それは江戸幕府内部の老中政治からは生まれなかったように、きっと現行システムの内部からは生まれないのでしょう。
じゃあどういう形で?
西郷さんや大久保さん、高杉晋作や桂小五郎、坂本龍馬、中岡慎太郎などなどの志士たちは、江戸幕府という内部の人間ではなく、しかも若い、極めて若い世代の英才たちだったのです。
昭和や平成時代の人間が実権を握っているここ何十年の日本政治は、それこそもう「江戸幕府の老中政治」的な倒されるべき古いシステムなのです。
たとえば安野貴博氏などのような若い世代の活動家たちがきっと「令和の志士」となって旧来政治をぶっ壊して行ってくれるのでしょう。
しかし、逆説的ではありますが、「政党政治をぶっ壊すにしても、それでもやはり国会政治の中からやらなければならないのでないですか?」と問われるなら、「確かに・・・」と言わざるを得ないのです。
つまりは、軍事クーデターのように、戦車を連ねて国会議事堂とNHKを占拠して、まさに「二・二六事件」のように「革命だ!」と叫んで政治を引っ掻き回したとしても、おそらくそういう形からは成功は生まれないでしょう。
結局、ダメな政党政治ではありますが、「現行の国会システムの中から」変えて行くしかないのですから、とりあえず私たち国民は「政治家を選び出して国会に送り込む」ところからしか始められないのです・・・。
まさに「ムムム・・・」と唸らなければしょうがないところから・・・。
この、お祭り化した、アホなイベント選挙の中から、私たちろくな候補者のいない中から、もしかしたらマシな候補者に一票を入れるところからしか変えられないのです・・・。
入れるべき、入れたくなる政党など一つもない中から、それでも「誰か」を選ぶしかないという・・・。
ムムム・・・、
誰か国会の中で政党政治をぶっ壊せる真の革命家はおらぬか・・・
きっと、「国会議員を再教育する」ことが求められている最必須課題なのかもしれないなと・・・
国会議員を再教育する、か・・・
考えて行こう・・・
ではでは・・・
【良記事ご紹介】
【Vlog】石破政権はコメを守って製造業を滅ぼすのか
(池田 信夫、2025.07.03)
参議院選、減税案が注目だが…
(岡本ヒロ、2025年07月04日)
大ニュース!ペン大学がリア・トーマスの記録をはく奪、影響を受けた女子選手たちに個人的に謝罪!
(2025-07-04)
<了>
政党政治が機能不全
2025年7月1日
参議院議員選挙が近づいてきたこともあり、政党支持についての世論調査が注目を集める時期になっています。先日行われた複数の世論調査結果をまとめた日テレの一覧表では次のようになっているのです。

この調査によって一つ、特徴的なポイントが指摘されるのですが、それが参政党の支持率が急浮上ということなのです。これについてアゴラ誌が特集記事を出しておりまして、「それはいいことなのか?」という問い建てに対して「良くも悪くもこれからの政治にはファンダム的なアプローチ(ロジックよりエモーションに訴える政治活動、熱狂的支持を得やすい)が求められていることが分かる」という結論を導いているのです。
◆アゴラ◆
参政党の支持率が急浮上し国民民主と並ぶ:現役世代は政治になにを望む?
(2025.06.30)
※)ちなみにアゴラ誌では世論調査を次の資料によっているのです。
■政党支持率(共同通信)
自民党 25.5%
立憲民主党 11.4%
参政党 8.4%
国民民主党 8.1%
日本維新の会 4.3%
公明党 3.7%
れいわ新選組 3.7%
日本共産党 2.8%
日本保守党 1.3%
社民党 0.8%
さて、アゴラ誌ではこの世論調査について「参政党の躍進」に注目しているのですが、私は注目すべきはそこでなく、むしろ次の点であろう思うのです。それが、「支持政党無しが43%」という点です。
この「支持政党無し」という政治スタンスはこれまで少しずつ少しずつ増えて来ている訳でして、この43%という数字が過去最大なのかそうでないのかは分からないのですが、それでも私の印象ではとにかく「毎度毎度その数字が大きくなっている」という感じです。
これが何を意味するかというなら、端的には「もう政党政治はダメだ」ということを示しているのでないかということなのです。
ちなみに、少しググってみれば次のような調査もあるのです(2024年2月時点での日テレ調査)。

しかしこういう動きは今に始まったことでなく、もう30年ほども前から「第一党は支持政党無し」という状況は出現していたのです。
ですのでこの状況を多くの人が特に問題視することなしに、スルーしているかのように見受けられるのです。
しかし、「どの政党も頼りないから」とか、「どの政党も政策がダメだから」とか、「どの政党にも魅力を感じないから」ということがそのことの理由だとしても、ここには実はより根本的な、より本質的、構造的理由、原因が潜んでいるように思われるのです。
それが、「個々の特定の政党がダメだから」ということは表層的なことであり、むしろ「そもそも政党政治そのものがダメだから」、ということこそ根本的、本質的な問題点であろうと思われるのです。
なぜそう言えるのかの理由については長くなりますのでここでは割愛するのですが、とにかく、時代はもう戦前のような「資本家」vs「労働者」とか、「特権階級」vs「庶民」という単純な社会構造でなく、そしてまた「自由主義」vs「社会主義(共産主義)」というような、シンプルなイデオロギー対立の時代でもなく、つまりは与党も野党も挙げて「弱者の味方、庶民の味方の政治」を標榜している時代だということなのです。
そんな時代に、数多くある政治イシューそれぞれに対して政党が「我が党は~~を!」と叫んでも、それぞれに一長一短ある政策しか提言できないのです。たとえば10個ある政治問題について、その10個に正確無比な完璧な政策を提言できる政党など一つもないのです。どこかの点ではある政党の政策が優秀であっても、他の点ではダメということも多いのです。
さらに困難な問題が経済問題です。そもそも経済的にしんどい事情にある家庭を救うために「現金給付する」という政策が、果たして本当に良い政策なのかダメな政策なのかをきちんと理解して評価できる人などどれくらいいるのでしょうか。きっと一部の人を覗いては「たぶん良いだろう」とか「たぶんダメだろう」的な回答しか持ち合わせていないでしょう。とにかく経済問題は難しいのです。ですので経済問題につきましては、たとえば「積極財政派」か「財政規律重視派」かなどの根本的問題につきましても、自民党ですら内部に2派のグループを抱えているくらいなのです。
いずれにしても、問題なのは、各政党がその政党の掲げる公約的な「アジェンダ」を誰が作っているのかというなら、その政党の一部の「政策通」でしかないということなのです。そこが作った原案を執行部が了承して「我が党はこれで行く!」と宣言して、一般の兵隊議員に言うのです、「次の国会では我が党は〇〇案に賛成する、よって諸君は党議拘束に基づいて賛成票を投じるように」、となるのです。一般議員は「へい、そうですか!」としてその通り票を投じるだけなのです。なのでもうその法案が通るかどうかなど、当然のごとくに分かっているのです。議員一人一人など、難しい問題ほど自分の頭で考えて投票することなどないのです。それが党議拘束ですし、それこそが政党政治の根幹をなすシステムになっているのです。
そしてこれはどの政党でも同じようなことで、政策は「幹部が作る」、兵隊はひたすら議場で党議拘束通りの賛成反対票を投じるだけ、というアホらしい構図がまかり通っているのです、何十年間もの間。なので小沢氏のように、「兵隊は選挙に強いヤツなら誰でもいい。要は兵隊の数が問題なのだ。政策はこっちが考えるからいいのだ」と嘯いて、芸能人であれ誰であれ、人気があって当選する可能性の高い有名人をリクルートして担ぎ出す(公認候補にする)という愚かなことがまかり通ってきていたのです。今でも国民民主党などは「知名度優先」で山尾ナニガシ女史とか須藤ナニガシ氏を擁立しようとしているのです。それが政党政治の王道システムなのですから何をかいわんや・・・、なのです。
この腐敗、堕落して形骸化した政党政治そのものが、有権者に「ダメなんじゃない?」として愛想を尽かされているのが、この支持政党無し症候群の根本理由であろうと推測されるのです。
そういうことでありまして、仮に参政党だとか保守党、あるいはれいわ新選組などの新興政党が今後大きく伸長してきたとしましても、行く末は結局これまでの「弱小政党の乱立と合従連衡」の図となりまして、要は国会を混乱させるだけの効果しか生まないだろうと予想されるのです。ただマスコミ的にはそれは「売れる構図」でありますので、国政に重大な支障が生じても、庶民がワイワイ言って大騒ぎで「売れるならOK」の構図です。
問題の本質は、もう「国会を中心とし、そこに政党が絡んで重要政策について党議拘束をかけて賛否の判断を政党が握る」という昔ながらの古いシステムが、もう制度疲労になっていることなのです。
それではどういうシステムこそが望まれる新システムなのかというとき、きっとそこに台湾のオードリー・タン氏が実現した政治手法が大きなヒントになるのだろうと思われるのです。きっと新しい民主主義の一つの見本になるのだろうと思うのです。そういう意味で、政治家諸氏におかれては、「オードリー・タン氏に学べ!」と言いたいのです(そして自分の頭で考えて政党執行部の党議拘束に反発しろと)。
本当に戦後80年、いつまであの「バカ国会」、「ダメ国会」を演じ続けるつもりであるのかと・・・。
これから先どれだけ「総選挙」を繰り返したとて、現状の愚かな政党政治を繰り返し続けるなら、輝かしい未来など永遠に見えて来ないでしょうと。日本が沈み行くだけだろうと。
むしろ、「政党をぶっ壊せ!」と、小泉氏にはそう叫んでもらって、既存政党全てをぶっ壊して「全員無所属政党」なる新党を立ち上げて欲しいものと、そう願うのです。
いずれ本当に誰か英雄的政治家が現われて、かつての小泉元首相のように、「政党政治をぶっ壊す!」と宣言して大改革を実現することを期待したいのです、大真面目に・・・。
<了>
この作戦は愚か?or 高度な政治判断?
2025年06月24日
今般のアメリカ軍によるイラン核施設攻撃につきまして、それをどう評価するかにつきまして様々な分析、見方ができているのです。それにつきまして、web上で(ほぉ~、これは・・・)と唸らされたYoutube動画を見かけまして、ご紹介したいと。
なんと、トランプ政権が敢行したあの「ミッドナイト・ハンマー作戦」なるイラン核施設空爆は、実は「壮大な茶番劇(政治的パフォーマンス)だった」という見方なのです。
次のような分析なのです、
〇アメリカ軍が空爆をしたのは事実だろう
〇しかしイランのフォルドウ核施設を“壊滅”させたと報じたが、実際にはその空爆はほとんどダメージがなかった
〇衛星画像で確認しても見えるのはただの浅いクレーターが数個
〇地中構造もおそらく無事で崩壊の痕跡ナシ、地上の出入り口構造が破壊された程度
〇イランには事前に「この辺を攻撃する」と通告されていた、しかも事前に数十台のトラックが施設周辺から離れて行く画像もある
〇しかしトランプ大統領は大々的に攻撃大成功を喧伝した
〇つまり、これは完全に“芝居”(パフォーマンス)だった
〇トランプ氏はここで「やることはやった、あとは外交交渉でケリを付ける」、「この後はアメリカは軍事行動をとらない」、としてこの戦争からは手を引こうとしている
〇つまり、“空爆ごっこ”を実施して、実際の成果より、むしろその政治的意味だけを巧妙に利用した
もしこの見方(ストーリー)が真実だったとするなら、つまり、トランプ氏はイスラエルロビーとネタニヤフの圧力に負けてイラン攻撃に踏み切ったが、実はそれは「イスラエルを黙らせ、イスラエルロビーを黙らせ、“俺はやったぜ”と証拠を残すためのポーズを作ったに過ぎない」ということなのです。そしてむしろ「これ以上戦争に突っ込まないための理由を作る」という意図の方が大きかったのでないか、ということなのです。
本当にイランの核開発を全破壊することを真の目的としていたのでなく、むしろイスラエル(ネタニヤフ&イスラエルロビー)に対して「俺はお前たちの要望を聞いたぜ」というスタンスを示す(証拠を見せる)ことこそが真の目的だったのでないかということなのです。
この見方の面白いところは、
①トランプ氏はイスラエルロビーの要請を無下に断ることはできづらい立場、つまり強力な支援者達の要請を断ることは難しいという立場だが、それを回避できるということ、
②そしてイランに対しては、「お前たち、後は外交で解決するぞ。もしそれが嫌なら今度はもっと本気で攻撃するぞ、たとえばハメネイの暗殺もあり得るぞ!」という脅しに使えるということ、なのです。
さて、上の見立てが真相だとするなら、つまりは、「イラン核施設空爆が実質は無駄に終わるようなことであったとしても、それを承知で、あえてそれを命じた」ということなのです。
実際、地下深く(80mもある地下だとか)にある核施設を完全に破壊することは、バンカーバスターでも難しいのは素人でも分かる話でありまして、もし「完全破壊を目論む」ならとてもじゃないですがB2爆撃機数機で、何発かのバンカーバスターを落とすくらいでは到底無理だろうと推測されるのです。
しかしトランプ氏は世界中を大向うにして大々的に正式に儀式ばって「攻撃表明&戦果報告」をしたのです。「イラン核施設を完全に破壊した。素晴らしい成果を上げた」として。
ということは、ここから分かること、推測されることは次の2つしかないのです。
つまり、
①トランプ氏は本当のおバカであって、軍の報告する「戦果」を「おぅ!やったか?!素晴らしい!」としてナイーブに信じた
or
②トランプ氏は最初からシナリオ通りに世界に向けて、大した効果もない攻撃にでも「完璧な戦果だ!偉大な成功だ!」として大げさに誇ってみせた
かのいずれかであると。
私も結局後者の見方の方がより真相に近いと思えるのです。そうとすると初めて違和感の正体が納得できるのです、
つまり、トランプ氏が、あのホワイトハウスで、ヴァンス、ルビオ、へグセスの3人の従者を従えて、儀式ばって大仰に世界に向けて「公式会見」でイラン攻撃実施を発表した、あの「仰々しさ」と「白々しさ」の正体(背景)が、なるほどと。
どういう訳か会見ではトランプ氏の演説の終わり方が素っ気ないのです。あっさりし過ぎていたのです。演説ではまことに仰々しく「ゴッドブレスなんちゃら」というようなフレーズまで出して締めくくっていたのですが、雰囲気は素っ気ないのです。そしてあっけなく退場してしまったのです。
本当に本当は「完璧な戦果」などではなく、まさに「攻撃はしましたよ」ということだけの「ポーズ(見せかけ)の攻撃」でしかなかったのですから、さすがのトランプ氏もそれを迫真の演技でもっともらしく演じることは無理だったのでしょう。それであのどこか投げやりといいますか、白々しいといいますか、あっさりした演説で終わったのだろうと、納得が行くのです。つまり、「事の重大さ」と「演説の軽さ」が乖離したものであったのです。その乖離の理由がそこにあったのなら、納得できるということなのです。
逆に、もしそのシナリオでなく、心底トランプ氏がこの作戦の成功をまともに信じてゴーサインを出し、そして報告をまともに信じて文字通りに「よくやった!大戦果だ!」と喜んでいるとするなら、私たちはトランプ氏がそこまで愚かな大統領であることに愕然とせざるを得ないことになるのです。
そういうことで、やはりトランプ氏は今回は「そのシナリオなら乗れる・・・」ということで、演技することを承知でゴーサインを出したのだろうと推測されるのです。
そしてこの作戦のポイントは、やはり「イランに最初から攻撃を事前通告していた」ということになるのでしょう。
そうであるからしてイランは「じゃあアメリカに対して本格的な報復はしない」というスタンスを採ることが出来ているのでしょう。(つまりは、トランプ氏にはこれが第三次世界大戦などという大ごとに発展しないと言う予測ができている)
つまりはトランプ氏はさすがにイスラエルロビーとネタニヤフ氏からのムチャクチャな要求(=アメリカが実質的にイランを敵に回して全面戦争に乗り出すこと)を呑むことの危険性を承知していて、さすがに「それは出来ない」として、それで「お茶を濁す」的な、「言い訳」的なポーズでこれをやり過ごすことにしたのでないかと推測されるのです。そのための最低限の軍事行動を敢行したのだろうと。ただ、もっともらしく、成果も挙げたと言えるだけの作戦を選んだと。
そしてもしそういうことなら、今回のこの空爆は、ジェフリーサックス氏などが真剣に「愚かな行為」と断じるようなことでもなく、もちろんかといって「ベストシナリオ」でもないでしょうが、それでも愚か過ぎるネタニヤフ氏の「アメリカを戦争に引きずり込む」作戦に乗ることなく、かといってイスラエル&イスラエルロビーを失望させることなく、またイランを核交渉の席に早く着かせるための一環として断行した作戦とするなら、「これしかない」という作戦になっていたのかもしれないと思えるのです。
う~~む・・・、
今回のアメリカの振る舞いは、どうなんでしょうか、「愚かな」と断じることも出来るでしょうし、また、「まぁ、仕方ない選択だった・・・」として許容できるものだったかもしれないのです・・・。
あるいは、一歩間違えれば谷底に落ちるような峻嶮な尾根の道筋を、過たず踏み違えることなく見事に渡り切ったと評することもできるようなことだったのか・・・
いずれにしても、壮大な茶番劇(政治的パフォーマンス)であったことはどうも疑い得ないようなことのようなのです。
本当にホントウに、真相はどういうことだったのでしょうか・・・。
元記事はこちらです、
ギルバート・ドクトロウ:アメリカのイラン爆撃は政治の茶番劇?
(1時間2分)※日本語吹き替え付き
トランプのイラン攻撃は政治的パフォーマンスだった説【及川幸久】
(24分49秒)
いずれトランプ氏が回顧録を出すでしょうから、その時にこのことの真相が明らかになるのでしょう。トランプ氏は政権内で「戦争推進派」と「戦争否定派」を抱えて苦慮していたようなのですが、今回はこの対応でなんとかその両サイドの対立を回避できたとするならメデタイことでありますると・・・。<了>