【日本にとってのグローバリズムとは!!】

2018.12.5

代表理事 中河 正勝

 最近、「グローバリズムの終焉という論調」を目にします。何故グローバリズムが騒がれるようになったのでしょうか。 グローバリズムの歴史的背景を理解しながら日本として今後世界とどのように向き合って対応していかねばならないか真剣に考えねばならないと思います。
 まずグローバリズムを理解していただくために世界で現在どんな問題が起こっているのかの共通認識が必要と考えています。その認識に立って将来日本として何をなすべきかを経済と防衛に絞り考えてみたいと思います。所謂アメリカが先頭に立って推進する「経済グローバル化」の悪い影響である。自然破壊、地域コミュニティ破壊、地域の経済生活基盤破壊、世銀などが先導した途上国の経済開発による人権侵害、金融グローバル化による経済破壊など多方面にわたります。
 「グローバリゼーション」「グローバル化」は現象を指すのに対して、「グローバリズム」はグローバリゼーションを推進する理念を指します。 「グローバリズム」という語は1992年以後に使われるようになりましたが、歴史的には何度も見られた傾向です。19世紀から1945年までの欧米列強による帝国主義・植民地主義もグローバリズムの一種でありますが、列強の勢力圏で閉じた経済活動を行うブロック経済でありました。英語では、イギリス世界(グロブブリテン)を中心とした世界構築という意味合いが含ます。 冷戦時代の1970年代には、国際決済がオンライン・グローバル化し一気に世界で大きな進展を遂げてきました。1992年元日にソビエト亡き世界が到来した後は、アメリカ合衆国の無比の軍事力を背景とした世界の画一化や、新自由主義(アメリカ流の無規制資本主義)を指す事が多いと思いますが、これは、しばしば各国独自の伝統・慣習と衝突するため、反米主義者などから「グローバリズムはアメリカニズムでありアメリカ帝国主義だ」として嫌悪されてきたと云えます。 1999年11月30日のWTO抗議デモを嚆矢にして、国際会議などで反グローバリズムのデモが行われることがあります。
 グローバリズムは、多国籍企業による市場の寡占もしくは独占固定化に至る可能性が高い。例として、参入に巨額の資金が必要な半導体製造等の業種は、リスクが高く新規参入が困難であることから、多国籍企業による市場寡占・独占固定化の可能性が高くなるように、参入が困難な業種ほど寡占・独占固定化が進むと予測されます。 さらにグローバリズムによる相互依存が高まると、原油を初めとする資源価格高騰によって、持てる者である資源国がますます富み、無資源国が高値で資源購入を余儀なくされ尚且つ十分な資源確保が困難ともなり高度な戦略が重要となります。一部の多国籍企業による国際市場の寡占・独占固定化が強まると、資金・資本に乏しい国家からの企業の参入は極端に不利となります。
 国内産業が多国籍企業に支配された低開発国は、先進国から国際援助を受けても資金が国内産業に回らずそのまま国外に流出し、低開発国からなかなか離陸できない。 逆に、ソフトウェア産業等のようにわずかの資金で参入でき、1人の人間のアイデアが大きく生かされる業種は、多くの雇用がアウトソーシングの形で先進国から開発途上国に流れており、世界的な産業規模の拡大が続いていきます。
 BRICs 諸国でとりわけロシア、中国、インド等の急速な台頭による多極化や、経済面での地域統合の動き(南米の銀行、ヨーロッパのユーロ通貨など)により、今後グローバル化の動きは相対的に後退し、世界のブロック経済化が進んでいく可能性もあります。 特に2010年、それ以前40年間続いたGDP世界第2位の日本は、中国に追い抜かれ2位を明け渡した。その後中国はアメリカを意識し経済と軍拡を背景として世界に公然と覇権主義国家を公言し「一帯一路」戦略の名のもと中国を「世界の偉大な中華圏」の復興樹立に向け邁進している。又海洋の進出拡大により国際法を無視し南シナ海の岩礁をコンクリートで埋め立て軍港としての機能を強化しています。更に日米欧の先進科学技術情報を違法に入手し軍事に転用を図る等、軍事の近代化を目指した野望は、全世界の脅威となっている。日本との間に尖閣諸島領土問題もあり一党独裁で国家資本主義という全く異質な(グローバル)国家の存在が世界の平和に不安定化をもたらしている。この様な中国の脅威に米国のトランプ大統領は、本格的な米中貿易戦争に踏み切ったと思われる。これ以上中国の独走を許してはならないと判断した。日本は、米国との関係を強化し、第一義には米国中心のグローバリズム・システム(対中国弱体化政策)の枠内での協力体制が望まれる。中国の独走覇権(帝国)主義阻止の包囲網の構築が急務と言える。さらに言えば中国を国際法の順守させるルール作りが必要ではないかと考える。
 一方日本の経済グローバル化は大きな多国籍企業が生まれていない。日本のグローバル化の取組として、安倍晋三内閣は、聖域なき構造改革を掲げた小泉純一郎内閣の方針を踏襲しました。安倍内閣は、一度は僅か1年で、志半ばで総理大臣を退任するも、2012年に復帰。新たに発足した第2次安倍内閣は、企業のグローバル化や規制緩和を成長戦略の基本に据えている。 2013年5月14日、政府の経済財政諮問会議(議長・安倍晋三首相)の民間議員がまとめたグローバル化対応の提言案がまとまりました。環太平洋経済連携協定(TPP)など経済連携を進め、「ヒト、モノ、カネの最も自由に行き来する国」を目指す。円の信認維持、成長産業への政策支援、人材育成、中小企業の海外展開の5原則を示し、安倍政権の経済政策の指針となっています。規制をなくし環境整備ができればグローバル企業が生まれる余地は十分にある。日本のグローバル化への抜本的な対応が急務となります。尚、日本の基本的な目標には経済力の強化と防衛力の増強に尽きると考えます。経済面では、短期的な目標として、GDP600兆円の早期実現、防衛費GDPの2%確保が必要と考えます。現在の日本の実力としては、充分可能といえます。
 日本は、長期的且つ計画的に経済力と防衛力の強化を堅持し国力の増強を図り、米国を中心とするグローバリズム・システムの枠組みの中心的役割を果たさねばならないと思う。そのためには、戦略的且つ長期的な研究開発投資と教育投資が非常に重要である。又日本国民の安全は、基本的に日本国民が守るという意識改革が出来て成り立つものと認識したい。 日本は、戦後自虐史観に囚われすぎている。敗戦国意識から脱却し、真の独立国として世界に貢献する姿勢が重要と思われる今日日本の文化もグローバル化の波に飲み込まれ良い文化が失われてきているように感じてならない。それらの阻害要因を徹底的に議論し排除のための立法化を確立する必要に迫られている。そして再度美しい国に取り戻したいと念じています。